EPILOGUE

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噛みつくように何度も唇を重ねながら、お酒と煙草の匂いを私に移してくる。テレビから流れ出る海外ドラマの銃声が、こんな状況にもかかわらず妙にちぐはぐで非現実的で。 「────…瞬、さ…ん…」 吐息に混じって、何度も名前を呼んだ。 その度に瞬さんは優しく頭を撫でて、でも手加減をしてくれるわけもなく、甘く切ない感覚を私の身体に刻み付ける。 照明の人工的な白い光の洪水の中で何もかも暴かれてしまう。私が必死で制止を求める声に彼は貸す耳すら持ってはくれない。 艶美な熱に犯されて甘く軋む体は、まるで全部丸ごと彼のモノになってしまったみたいで、そんな風に考えている自分があまりにも柄じゃなくて可笑しい。 本当に、恋って恐ろしいな。 熱に浮かれた頭の中に、つい自嘲がこぼれた。 𓂃𓂃𓍯𓈒𓏸𓂂𓐍◌ 𓂅𓈒𓏸𓐍 「最中は素直なくせにな」 背中を向けて布団をかぶる私を、その上から軽く叩いて、顔を覗き込もうとしてくる。 「ツンデレとかもう古くね?」 「…何であんなに意地が悪いんですか」 「あれぐらい普通じゃね?まあ他の男のセックス見たことないから知らねえけど」 「私も知らないですけど…」 散々焦らされて、どれだけ泣いても許してもらえなくて、本気で嫌がらせされてるのかと思った。 あれが普通だなんて言われたら今後男性不信になりそうだ。世の男性が全員あんなにねじ曲がった性格をしていないことを切に願う。
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