EPILOGUE

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「てかセックスなんか頭オカしくなるまでやるからいいんだろ?甘えんな」 「…その持論はさすがに暴論かと」 「何だよ、好きだの可愛いだの愛してるだの歯の浮くような台詞言いながらヤレってか」 「いや、瞬さんがそれはそれで…」 「気色悪いだろ?」 俺だってそんな気色悪い台詞言いたかねぇよと嫌そうに顔をしかめる恋愛不精な男は、気怠げな動作でベッドの上に寝転がった。 今さらだけど、本当にこの人は恋愛に関しては木偶の坊と言うかなんと言うか、ロマンチックとは対称的な場所に存在している。 「飲み会は楽しかったですか?」 「まあ久しぶりだったから楽しかったよ、当分は会えないだろうしな」 「でもちょこちょこ帰ってきますよね?」 「そん時はお前の相手で忙しい」 夜の中で拗ねた頬を撫ぜられた。 その指先の熱に、酷く泣きたくなってしまう。 恋は人を弱くすると何かで聞いたことがあるけれど、それは多分半分正しくて、でも残りの半分で間違っている。 「何だよ、不細工な顔だな」 「…もう少し言い方ないんですか?」 「お前だってもうちょい可愛い顔できねえのか」 「余計なお世話ですよ」 首筋の辺りにすり寄ってキスをしてくる瞬さんに身を捩って抵抗すると、馬鹿にしたように笑われながら粗雑に髪を乱される。 それに不満を声高に叫ぶと彼は余計に面白がって私を抱き締める。拗ねた女を揶揄う男のキスは滑稽で馬鹿馬鹿しくて、でも酷く身軽な幸福の味がした。
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