EPILOGUE

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教授なりの、最大限の感謝とエール。 それをデスクに頬杖をついてそっぽを向きながら不満そうに言う教授は、どこまでも素直じゃなくて、最早愛しい。 「…まじで素直じゃねえっすね、教授」 「煩いな、お前だって素直な方じゃないだろう」 「俺はさすがにそれまででは…」 「用件はそれだけだよ」 じゃあ失礼する、と畳みかけるように言って背広を腕に掛けた教授が足早にオフィスを立ち去る。 その背中を見送ってから顔を見合わせた私と瞬さんは、数秒はお互いなんとか我慢して、でも結局耐え切れずに噴き出した。 「何だよあれ、このために来たわけ?」 「本当に素直じゃないですね、教授」 「最早おっさん相手にちょっと可愛いって思った自分が悔しいわ」 可愛い女の子だったらまずかった、なんて言う。 それに緩んだ顔で同意した。 「愛されてんなあ、俺」 「向こうで頑張らないわけにいきませんね」 「かなり癪だけど頑張るわ、俺」 教授からの餞別をそれなりにきちんと受け取ったらしい瞬さんは、楽しそうにしながら、でも少しだけ照れ臭そうだった。 𓂃𓂃𓍯𓈒𓏸𓂂𓐍◌ 𓂅𓈒𓏸𓐍 ────銀河の拡張が止まることはない。 これは科学的にほぼ決定されている確かな事実であり、そしてその光景をこの凡庸な瞳が映し出すこともないだろう。 けれど人間は、夢を見ることが出来る生き物だ。 逞しい夢は何者にも邪魔されない。
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