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エスメルに手招きをすれば耳を近づけてくれたので、こそっと聞いてみることにした。
「エスメルって…エヴァの事好きなんじゃね?」
「我が子みたいに可愛いですよ」
ニコッと微笑まれ、手を離されて早く掃除を終わらせて寝なさいとエヴァの頭を撫でてエスメルが歩いてゆけば、エヴァは面倒臭そうに立ち上がり掃除を開始した。
俺も一緒に掃除をしながらエヴァを見る。全くエスメルの事をなんとも思ってないような素振りにモヤッとしてしまう。俺がどうこうするものじゃないだろうけど、なんとかしてやりたいと思うのはやっぱりお節介なのだろうな。
掃除が終われば風呂に入ってから部屋に行き、ベッドに座っていればノックが聞こえて返事をすればアレスが入ってきた。押し倒されて唇を重ねられ、俺は首に手を回す。
「愛してる」
「ん…俺もアレスを愛してる。だから…アレスの全て俺にちょうだい?」
「髪の毛1本までお前のもんだよ」
愛おしそうに唇が重なりまた体を重ねてゆく。これからも色々な事があるだろうけど、俺はアレスと生きていきたい。
絶対俺の方が老けて先に死んでしまうだろうけど、その最期の時もきっとアレスはそばにいてくれるんだろう。
元の世界で色々不幸な事が続いたのは、この世界で幸せになるために課された試練だったのかもしれないなんて、今は思ってしまうんだ。
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