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ロングセラー商品の開発は私の夢でもあり、“彼”との約束でもある。
もちろん、一朝一夕で完成するものではない。
開発に長い時間を費やし、やっと世に送り出した際は泣きたくなるほど感激した。
現在、海外在住の彼はこの商品を知らないだろうし、“約束”を覚えているかどうかも怪しい。
それでもいつか帰国した際には、自分が責任者として関わった商品なのだと胸を張って紹介したい。
「売れ行きは変わらず好調よ。モニターさんからも高い評価をもらってる。特に女性からはボトルデザインが支持されているわ」
親友が突然真剣な口調で仕事の話を始める。
コンパだイケメンだという話が聞こえていたのか、少し離れた席の部長から鋭い視線を感じる。
蘭はそれを感知して、仕事モードに切り替えたのだろう。
「四月の今も需要が高いけど、この好調は夏になっても続くと思うわ。出荷量も気温が上がるにつれて伸びているし」
「そう、よかった。蘭たち営業課の皆が頑張って販促してくれているおかげね」
「それを言うなら、市場調査やデザインから地道にこだわって開発してきた企画課のおかげでもあるでしょ」
「温かい言葉をありがとう」
有難い賛辞に頬が緩む。
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