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柳島は瀬戸内海に浮かぶ、それはとてもとても小さな島である。
そう言うと、もしかしたら皆さんの中には疑問に思われる人もいるのかも知れない。わざわざとてもとてもなんて大袈裟な表現を用いるのだから、その大きさは如何なるものなのかと。だから物語の本題に入る前にその島について幾らか説明しておこう。
柳島は瀬戸内海の塩飽諸島に位置しており、島の面積はおおよそ○・二平方キロメートルぐらいしかない。それ故、半日もあれば島の隅々まで探索することが可能だ。
だが島の歴史は思いのほか古く、戦国時代に人名制において香川県の丸亀市から有力者数人が島に移り住んできたのが全ての始まりだと伝えられている。
まあ確かに伝統ある場所なのだが、とは言っても、ここには外の人間がわざわざやって来てまで観るような名所などどこにもない。この島にあるものと言えば、遠い昔まだここが幾分栄えていた時代の忘れられた遺物のみである。
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