初めての

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初めての

美緒が二日酔いをして寝込んだ時に来て以来だった。 少しインテリアがスッキリしたような気がする。 「この部屋には、セフレは来たことないんだ。てか教えてない。ストーカーになられると困るし」 「そうなんですね」 自分だけが特別な気がして有頂天になりそうだ。 「俺、やっぱり先生って呼ぶ」 瑞希はソファに座って、美緒が冷蔵庫を開けるのを見ていた。 「え?なんで?」 冷蔵庫から缶ビールと炭酸のペットボトルを持って来た美緒は、はい、とペットボトルを瑞希に渡した。 プシュと二人して栓を開ける。 「今まで先生が付き合った人達、みんな美緒って呼んでたんでしょ?」 「ああ、まあ、そっかな」 美緒は、ゴクリとビールを1口飲む。 「はあ、うまっ。これからはビールが美味い季節だねえ」 とご機嫌な顔をした。 「聞いてる?」 「あ、ごめん、聞いてる」 美緒は、そう言って瑞希の隣に座り、 肩に頭をのせてきた。 「大好きだよ、瑞希」 「ちょっ、もう酔ったんですか?」 ははっと美緒は楽しそうに笑っている。 「ん?で、なあに?」 「だから。先生って呼ぶのは俺だけ、でしょ?だから」 「そっか。分かった。じゃあ二人の時は先生でいいよ」 美緒はビールを半分ほど飲むと、瑞希の首に腕を回して頬や額にキスをしてきた。 「せ、先生…」 いきなり大胆な美緒に少し焦る。 瑞希は、ペットボトルを持ったままで固まった。 「ごめんね、引っつきたい欲が我慢できなくて」 ニコリと笑う瞳が少し潤み、美緒の気持ちが伝わってくる。 瑞希は、ペットボトルを置いて、美緒の背中に手を回した。 そっとパーカーの中に手を入れると、暖かくてサラサラした肌に直接触れた。 美緒も瑞希の一張羅のシャツのボタンを外し始める。 中に着ていたTシャツも脱がされてしまい、上半身は裸になってしまった。 美緒は瑞希の胸に耳を当てる。 「凄い、ドキドキが早くなってるよ」 「そ、そりゃそうですよ」 言葉にされて恥ずかしくなり、もっとドキドキしてくる。 瑞希は、美緒のパーカーを脱がせ、身体を見た。 想像でしかなかった美緒の身体が目の前にあり、手で確認するように撫でてゆく。 「先生、綺麗…」 「ほんとに?ガッカリしてない?」 美緒は、胸に耳を当てたままで見上げてきた。 「す、する訳ない」 唇を合わせ、そのまま首筋に舌を這わせる。 胸の突起にたどりつき、舌の先を硬くしてゆっくりと舐めた。 「は…あ…ん」 その声を聞いただけで、瑞希の下半身は、ハッキリと反応し、もう我慢できないくらいに興奮してしまった。 「先生…先生…好き…愛してる…」 そう言いながら、美緒の身体を愛撫し、隅々まで舐め続けた。
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