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私は私のままで
さとしが出って行ってから、リビングの床にうつぶして、大声で泣いた。
何十年かぶりに、悲鳴をあげるみたいに泣いた。
私が強いから、置いていっても大丈夫?って・・・
そんな・・・・
一回だけ、さとしの前で、仕事のことで、愚痴って泣きそうになったことがあった。
その時さとしは、
「まこらしくないぞ!泣くくらいなら仕事やめちぇまえ!」
って言って、私を叱った。
怒られるくらいなら、もう絶対さとしの前なんかで、愚痴らない、泣かないって決めた。
それもいけなかったの?どうすれば良かったのかな?分からない!!
思いっきり声を出して泣いていた私の後ろから、
「まこちゃん!どうしたの?」と、野太い男の人の声が聞こえた。
えっ?ここに他に男の人いたっけ?
びっくりして振り返ると、そこには、コイちゃんが悲しそうな顔して、私を見ていた。
そうだ!この声はコイちゃんの、いつもの鳴き声のトーンだ。
コイちゃんが心配してくれている。
そっと、抱きかかえたら、コイちゃんは、優しく口元をペロペロ舐めてくれた。
ありがとう・・・
コイちゃんは絶対私を裏切らないね!ずーと一緒だよ!いつまでも!
もう泣くのはお終い!
私は私。強いんじゃない!
ただ、誰の顔色伺うことなく、自分らしく生きていきたいだけ!
自分らしく!!
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