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班長の言葉に俺は無言で頷いてパトロール用の自転車に乗って渋井の捜索にあたる。
渋井凸汰め、もしこの地域の人達に危害を加えてみろ、この俺が許しはしないぞ。
そんな事を考えながら康太達の通う小学校が何やらざわついていて、校門と校庭に人が集まっており、その雑踏に康太がいたので俺は声をかけた。
「康太!どうした!一体何があった⁉」
「お、おまわりさ……ん、ど、どうし……よう……」
いつも生意気なあの康太が涙ぐんでいて、言葉も中々でてこないようだ。そんな時に俺に若い女性が声をかけてきた。
「あの、交番のおまわりさんですよね、私、康太君の担任の宮空と申します」
「地域課の大木です、あの何があったかご説明願いますか」
「はい、刃物を持った男の人が体育館で体育の授業をしている児童と教師を人質に立てこもっているんです、そのクラスが康太君の妹さんの瑠美さんのクラスなんです」
宮空先生の説明を聞いた俺は内心驚きがあるが冷静に振る舞い、スマホに保存していた渋井の写真を見せて尋ねる。
「そうですか、あのもしかしてその男とはこういう特徴をしていませんでしたか?」
「あ、はい!そうです、私以外にも何人か見ていますので間違いないと思います」
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