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指名手配犯との攻防
俺は丸井警部補より渋井の説得を命じられ、疑問が浮かんだので尋ね返した。
「自分が1人でありますか?」
「そうだ、指名手配を受けてなお人質をとっている渋井の精神状態が正常とは言い難い。合理的な判断力を失っているか、潜伏していたのを発見され自暴自棄になっている恐れがある」
「確かにそれはそうですが……」
「時間を稼いでくれ、君が渋井を引き付けてくれれば我々が隙を突き確保する」
「了解しました。これより渋井凸汰の説得にあたります」
丸井警部補の命を受け、俺は体育館に渋井の説得の為に向かう。
体育館の扉は内側から鍵がかけられていており、入れそうもない、仕方なくスピーカーを学校から借りに戻ろうと思ったが、宮空先生がスピーカーを俺に持ってきてくれた。
「宮空先生⁉」
「良かったら使ってください、大木さんがお1人で体育館に向かうのが見えましたから」
「ありがとうございます、先生は校舎に戻って下さい」
「はい、大木さんも気をつけて下さい」
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