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渋井と話している内に外から衝撃があり、体育館の扉が開いた。そこで1人の男が渋井に言い放った。
「渋井凸汰、もうお前は逃げられない、おとなしく自首しろ!」
刑事課の丸井警部補が到着して条件反射で体育館の裏から逃走を渋井が試みるが咄嗟に俺は渋井の背中を後ろから蹴り身体が倒れた渋井を上から押さえつけ、丸井警部補に呼びかける。
「警部補!手錠を!」
「渋井凸汰!一家惨殺及び、小学校児童並びに教師を人質にとった現行犯で逮捕する!」
そう言って渋井は丸井警部補に手錠をかけられて他の警官が身柄を拘束し渋井を連行する。一息ついた俺に丸井警部補が声をかける。
「やったな大木巡査」
「いえ、自分は大したことはしていませんよ」
「いや、君がいち早く現場に到着したから我々も動きやすかった。君も近く署長から表彰されるだろう」
直接手錠をかけた丸井警部補だけでなく、俺も表彰を受けるのか?
そんな事を考えながら体育館を出ると康太が瑠美ちゃんに駆け寄った。
「瑠美ーー!瑠美ーー!大丈夫か⁉」
「お兄ちゃん、すごく、すごーーく怖かったよ!、でもねおまわりさんが来てくれたら瑠美頑張れたよ」
「ありがとよ、おまわりさん、本当にありがとう!」
康太が涙ぐみながら俺に礼を言うと宮空先生も俺に駆け寄り礼の言葉を言う。
「私からもお礼を言わせて下さい、児童達を助けていただいてありがとうございます、それから、あの大木さんにお怪我はありませんか?」
「いえ、警官として当然の事をしたまでです、怪我もありません」
「ああ、良かったです」
「それじゃあ自分もこの事件の報告書の作成をしなくてはいけないので失礼します」
そう言って俺は小学校をあとにした。
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