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10.
優の作った朝食を食べながら遥は言った。
「私、男の人にご飯作ってもらったの、
初めてかも」
「そーなん?」
ニコニコとうれしそうな優が尋ねた。
「槙ちゃんは、海派?山派?」
「んー、海派ですね」
それを聞いた優が車で連れて行ったのは、
青い海に、白い家、オリーブ畑の広がる所だった。
「キレイ… 日本じゃないみたい…」
呟く遥に、優が教えてくれた。
「日本の地中海って言われてんねん」
前の日から続く優の数々のもてなしに、
遥は新しい世界が開けたような、
新鮮な、でも心地よい気持ちであった。
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