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金曜日の夜、遥は数ヶ月ぶりに優と 郊外の夜景の見えるレストランで食事していた。 「槙ちゃんも、忙しいみたいやね」 「そうなんですよ、最近国際線の方に  入るようになって…、研修とOJTがやっと  終わったので」 「へーそうなんや、国際線か、  カッコええなぁ」 そんな事ないです、と遥は謙遜した。 「槙ちゃんも、東京とか外国の空港とかで  働きたいとかあったりするん?」 唐突な優の質問に遥は驚いた。 「え? いや、  別にそんなことは考えてないですけど」 「え?そうなん?」 今度は優が驚いた。 「え?なんでですか?」 「いや、芹沢さんが…」 「え、芹沢さん、何か言ってたんですか?」 「いや、なんか、槙ちゃんの職場の人たちは  結構東京とか海外とかに転職しがちとか  聞いたから…」 「あー、転職しがちですね…  でも私、国際線に入ったばかりなんで、  しばらくは会社辞めにくいって言うか、  もうちょっとは続けると思います」 「あぁ、そうなんや、へー、そっか」 優はホッとした表情を浮かべた。
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