4.

1/1
前へ
/15ページ
次へ

4.

しばらく経った週末の夕方、 優は遥を車で迎えに来ていた。 待ち合わせは、 二人の住む中間地点にある駅のロータリー。 オフホワイトの車を見つけると、 遥は窓を叩く。 運転席で本に目を落としていた優が 顔を上げ、笑顔がはじける。 遥はドアを開けて乗り込んだ。 「大っきい車ですねー。  私も運転するけど、  こんな大きいの車庫入れできないわ」 「僕がいつも運転するから大丈夫ですよ」 「背が高い車だから、眺め良いですね!」 はしゃぐ遥に、優は言った。 「芹沢さんに、槙ちゃんとよぅ行ってた店  聞いてきてん」 「あ、海辺のカフェですね!  同僚たちとよく行くんです。  でも、夜は初めてです」
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加