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1 入 会
『社会における猫の存在を研究する会』、略して『猫研』――これが、僕の所属するサークルの名前だ。
僕の名は鈴木恭太。某大学の1年生だ。
僕の通う大学は、世間的には知名度の低い田舎の大学だが、僕にとっては、最後に浪人を食い止めてくれた救いの神だった。
高校生活はというと、クラブ活動を回避したのはもちろん、友達とつるんで遊ぶこともなく、学年の半数以上いた女子生徒とも――本意ではなかったが――まともに話すことさえなかった。
そして、ひたすら学校と自宅を往復して、黙々と勉強に励む毎日だった。
ただ、その中身が人並からやや劣っていたのか、勉強の合間の息抜きのつもりではまったゲームが悪かったのか、志望の大学はみんな落っこちてしまった。
でも、これといった目的も憧れもない大学生活だったので、もうこれ以上受験生を続ける気力も湧かず、何とか滑り込めた今の大学に入ることにした。
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