ぷー子

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ガリ、ガリガリ……ガリ 「さぁ、ぷー子! お食べ〜」 目の前には、飼い猫の”ぷー子”。 このガリガリという爪の()ぎ方は、 ぷー子特有の『お腹がすいた』っていう合図だ。 俺は出来立てほやほやの”ねこまんま”を差し出し、 カメラで録画をし始める。 チリンチリンと首につけた大きな鈴を鳴らして ねこまんまをガツガツと食べているぷー子。 青みがかった灰色でフワッフワの毛並みのロシアンブルー。 目は鮮やかな緑色で、ちょっと太り気味。 ……いや、かなり肥満だ。 ぷー子に出会ったのは、俺が新入社員になったばかりの半年前。 虚弱体質な俺は、バリバリ働くような仕事は出来ず、 小さな会社で経理の仕事に就いた。 そんな時、俺が住んでいるマンションの近くでぷー子を見つけた。 首につけられた大きな鈴や、太い肉付き、毛並みの良さから見て、 きっと、迷子猫なんだろうと思った。
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