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「お集まり頂きありがとうございます」 「堅苦しいよ…」と純。「ナミさん、適当でいいよ」とまっちゃん。 「じゃあ、、、みなさん、今週もお疲れ様でした。カンパーイ!」 そう言うとナミさんは缶を開けるのが早いかコクコクとロング缶を半分ほど飲んでしまった。 「さて、始めますか」ボソリと純は堅苦しいなんて言ってたくせにいざ始まると負けず嫌いのオーラを出し始めた。 ナミさんの部屋のかわいい猫型のテーブルとは対照的に純はパラパラパラパラ~と本格的で華麗な手さばきでシャッフルしてみんなにカードを配る。 「音楽かけるよ、まっちゃんが選んでくれたカステラってバンドいいよね」とナミさん。 「いいね!さっそく聴こうよ」 その曲はインディーズというのだろうか?テレビやラジオで聴いたことがなく腐女子に受けそうなパンクロックで独特な雰囲気に包まれてゲームは始まった。 「今日はツイてるなぁ」 切ったカードはそれほど良くないのにトップを取れるところを見ると純はかなり強いようだ。 カードにバラつきがあってなかなかトップを取れないでいる俺は三着ばかり。 ナミさんはカードを直感で切ってくるタイプのようでカードを出すタイミングがとにかく速くまっちゃんはそのプレッシャーだろうか貧民が多かった。 「あっ、ちょっと待って…もしもし」 ナミさんはスマホ片手にあとニ枚のカードを伏せてサッと立ち上がると、洗面所の方ヘ行ってしまった。 あとに残された男三人は何を話すでもなく静かにテーブルを囲む。 純は口下手なのだろうか、黙ってカードの裏を穴が開くほど眺めていた。 自分がナミさんにあげた曲がかかった事が嬉しいようでまっちゃんは一人口ずさんだりしていた。 「ナミさん、どうしたのかな?」 一本目の缶ビールが終わり、ニ本目を取って良いものか迷っていた。 「彼氏と電話かな~」とまっちゃんは口ずさむ合い間にメロディに乗っけて答えた。 『彼氏と…』 僕はとてもショックだったけど 「そうなんだ、彼氏か、そりゃナミさんならいるよな。そっか~」めいいっぱい軽く受け流すふりをする。 純はそんな話など全く興味がないようでカードをひっくり返したりして一人遊んでいた。 しばらく沈黙が続くと洗面所の方から 「そんな事言ったって、、ほっといてよ、いいじゃん、そんなこと言わなくても…」 ナミさんの涙声が聞こえてくるようになった。 「どうしたんだろうね?」 僕はまっちゃんにヒソヒソと聞くと 「たっちゃんってナミさんの彼氏にだよ。俺、会ったことあるよ」 まっちゃんはなぜか自慢気に言った。
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