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周吾が部屋に置かれた那津の荷物を、感慨深そうに眺めていた。
「あと三日だけど、那津さんと一緒にいられるなんて嬉しいな」
海に落ちて気を失ってしまったため、那津は周吾の部屋でようやくシャワーを浴びた。持ってきた服に着替えようかと思っていたが、前回のことがよほど気に入ったのか、周吾からTシャツを手渡されて渋々袖を通す。
「今日入れて三日しかないけどね……」
ベッドに座っていた周吾は、部屋に戻ってきた那津に手を差し伸べる。彼女が手を重ねた瞬間、周吾は那津の体を引き寄せ膝の上に乗せた。
それから真剣な眼差しで那津を見つめると、ゆっくり口を開く。
「那津さん、聞いてほしいことがあるんだ」
「うん……」
「俺、那津さんが好きだよ。だから俺と付き合って欲しい」
周吾の言葉が嬉しくて、那津は嬉しそうに微笑む。
『時間は関係ないよ。この一週間で俺がその気にさせてみせる』
たった一週間で恋が始まるわけがないって思っていたのに、本当に彼の言う通りになってしまった。
「うん……私も周吾くんが好き……」
那津が言うと、周吾はポケットから何かを取り出す。そして那津の首に手を回した。
「もう一つ、お願いがあるんだ」
首にくすぐったさを感じて触れてみると、ネックレスが揺れている。
「これって……?」
「俺からのプレゼント。覚えてる? 初めて入ったお店で、那津さん、そのネックレス見て笑顔になったんだ」
改めて触ってみると、ハイビスカスのトップがついていた。
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