買えたのは戦闘奴隷

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買えたのは戦闘奴隷

「ようこそ、奴隷の館へ。どの様な奴隷をご所望ですかな?」  館に入ると、年のいった男が出迎えた。店番か店主かは不明だが、用途を伝える。 「戦闘奴隷が欲しい。余った金で性奴隷も欲しいが」 「戦闘奴隷はあくまでも戦闘に関する事だけしか命令できません。性行為に及ぶと罰則が生じますので御注意を」 「罰則とは何だ?」 「主従関係の解消。それと奴隷の反逆に対する罰則無し」 「ならば、性奴隷を戦闘に参加させる事は?」 「其方も罰則となります。性奴隷は性行為のみ命令出来ます。此方も罰則は戦闘奴隷と同様です」 「融通が効かないのだな」 「抜け道は御座います」 「教えてくれ」 「戦闘奴隷なら改めて性奴隷の契約を。性奴隷なら改めて戦闘奴隷の契約を重ねるのです」 「契約の重ねがけが可能なのか?」 「勿論です。ただし、相当の金貨が必要になりますが」 「幾らか聞いておこう」 「戦闘奴隷でしたら金貨十枚。性奴隷でしたら金貨三十枚」 「解った。戦闘奴隷を二人程用意してくれ。出来れば二人とも女で頼む。予算は金貨十五枚だ」 「畏まりました。お掛けになってお待ちください」  男は長椅子に俺を誘導した後、奥に引っ込み暫くして二人の奴隷を連れてきた。 「何れ性奴隷契約を重ねると考えまして、見た目重視で選びました」  一人はエルフなのか、耳が長く銀髪の髪を後ろで束ねた、やや眼がつり目の美人だった。  そしてもう一人は獣人で、頭の上に獣の耳がありボサボサの短い茶髪にお尻の辺りから尻尾が生えていた。  どちらも安い麻の服に身を包み、胸の膨らみは申し訳程度で細身。本当に戦闘が出きるのだろうか? 「此方の耳が長い女はハーフエルフで精霊魔法を得意としています。そして、獣人の女は犬族で剣と盾を扱えます」  後衛一人に前衛一人か。俺は前衛に立つつもりはないから前衛が不足するな。 「前衛の出来る戦闘奴隷をもう一人欲しい。追加予算は金貨五枚だ。容姿はこの際気にしない。強さを優勢してくれ」  先に金貨十五枚を渡して主従関係を結んでから、男に伝える。 「畏まりました。少々お待ちください」 「さて、先ずはお前達の呼び名を聞こう」 「私は身売りした時に名を捨てました。好きにお呼びください」 「私も同じです。部族から抜けた時点で名は捨てています」 「なら、お前がルエ。お前がヌイだ」 「「はい」」 「お待たせ致しました」  丁度男がデカイ女を連れてきた。胸がデカイが背もデカイ。腰まで伸びたボサボサの髪が紅く、マントの様に揺らめいて見えた。 「此方は鬼人で棍棒と素手戦闘に秀でいます。顔に傷が有り容姿は悪いですが、強さは折り紙付きです」  額に角が二本生えている。顔に深い傷がハッキリと残ってはいるが、顔立ちは整っているので、性奴隷にしても問題はなさそうだ。  金貨五枚を渡して主従関係を結ぶ。 「名は?」 「部族の敗者は名を捨てる。好きに呼べ」 「なら、お前はニオだ」 「最初に性奴隷契約を重ねるなら、アタシからにしてくれよ?」  マジか。
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