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序章
追憶
私がその人に会ったのは、フォリウム王国が開いた国立記念パティーの会場だった。
まだ幼いその人は、青と白銀が混じった髪色に、翡翠の様な目をしていた。
海を思わせるその色合いは美しく、私を魅了した。しかも全てが天使かっっと言うような美少女ぶりである。ある意味一目惚れ、と言うやつなのかもしれない。
余りにもその人は私の理想に当てはまりすぎていてその人を見失いたくなくて、私は今世初めて兄に逆らった。
あぁ、今考えると、余りにも愚かだったと思う。
あの兄に逆らう事は、即ち死をも表す。だが、その時はきっとそれ程まで必死だったのだろう。
愚かだったが後悔はそんなに無い。
だって私はそのお陰もあって、あの人に関われる様になったのだから。
パーティ会場では、眺めるだけであったが今は違う。
こんなにも近くに居られるのだ。
フォリウム王国 アルガ•マリーナ侯爵家に勤める侍女フルクティクルス15歳ーー前世含めると30代です!は、今日もそんな事を考えながら彼女の主人であり彼女の推し……..アリーエ•アルガ•マリーナの為に今日も元気に働く。
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