彼の村へ

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月が山の真上に来る時間になり、シュウは月菜とミュウを連れて目的の場所まで急いだ 「この村は近いうちに、湖に沈む。 オレたち以外の村人はみんな他の村に移り住んだ。 オレたちは…祖父母に育てられて、小さい頃から2人で産まれ育ったこの村で最後の最後まで生きようと決めた。 でも…オレは良くてもミュウは助けたいそう思った。 だから、満月の夜にオレの家に代々伝わる移動魔法で月菜が住む世界に行った。ミュウが平和な世界で幸せに暮らせるように…」 話を聞いていた月菜の目には涙が溢れていた 「だったら!シュウも一緒に行こう。私の家に行こう…」 月菜がシュウの腕を掴む 「それは出来ないんだ。今のオレの魔力では…月菜とミュウの2人を移動させる事しか出来ない…」 シュウが悲しそうな…でも、覚悟を決めた目で月菜を見た 「さぁ…月菜、ミュウここに来て。時間がない。」 「シュウ!」 「ミュウ、元気でな!幸せになるんだぞ!月菜、助けてくれてありがとう。さようなら。」 そう言ったシュウの目には涙が浮かんでいた 月菜は、シュウは一緒に生きたいんだと、そう感じていた 「お兄ちゃん…」 ミュウが呟く 「シュウ!」 月菜がもう一度、シュウの名前を呼んだ "さぁ…行くぞ!" シュウのその言葉と共に眩しい光が2人を包んだ 「いや…シュウ…」 その時、月菜がシュウの元へ走り、シュウの腕を掴むと、光の中へと引っ張った 「…待てっ!月菜…」 その声と共に3人は光の中へと消えていったのだった
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