第二話 私の残穢

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第二話 私の残穢

今日もまた、窓から外の景色を見る。 今日も来ない…… 今日も会えない…… 今日も出てはいけない…… 私は、まだ、自由になれない。 あれから3日後、 ハジメ達は、イギリスへ到着した。 「来たぞー!!イギリスだーー!!」 リョウヤが、空港を出て、真っ先に突っ走り、叫んでいた。 「男ってこんなものなの?」 「まあまあ、ナツメちゃん、  そこは、気にしない。」 「ウオオオオオ!!店をまわ──  グエッッ、おい!首掴むなよ!」 「はいはい、まわりの迷惑でしょ。」 リョウヤの首根っこを掴んで、 目的地へ向かった。 ズルズルッ、ズルズルッ。 「──なぁ、そろそろ放してくれね?  尻が痛い。」 「わかったよ。」 パッと放した。 「グエッ。もうちょい優しくしてくれよ。」 そんなことを言ってたら、目的地へ着いた。 「ここがシュリウス城か。」 「うん、確か僕の祖父がここで住んでいたとか。」 「すげ~。」 城を見回していたら、窓から人影が見えた。 「あれ?誰かいる?」 「え?どこに?」 「ほら、あそこ。」 指差してみたら、そこにはもう人影は、 無かった。 「あれ?見間違えかな?」 「きっとそうだよ。」 「さぁ、冒険だー!!」 「あっ、リョウヤ!!」 リョウヤは、突っ走って、ドアを開けた。 続いて僕達も入っていった。 「うわ~、広いな──」 ドンガラガッシャン!!バキィィイ!! 「うわッ、何だ!?」 そこには、1人のメイド姿の人が、 倒れていた。 「あの、皆様、どちら様でございますか?」 「だだだ、大丈夫ですか!?」 「だだ、大丈夫ですっ。  驚いて、落っこちました。 彼女に手紙について、話した。 「そうですか…そんな手紙が。  でも、見知らぬ人を勝手に、  お上げするわけには……」 う~んとしばらく彼女は、考えていた。 「……わかりました!  どうぞ、みなさんおあがりくださいっ!」 と、彼女が言って、中を案内してくれた。 ひと通り案内して、彼女が言った。 「ではみなさん、  中を自由に遊んでいいですよ。」 と言って何処かへ行った。 「結構広いな~。」 「僕の祖父がここで住んでいた  って言っていたけど、僕は、  ここに来たことがなかったな。」 「何かあったのかな。」 そんなことを言いながら、城の中を歩いていた。 「そういえば、鍵が入っていたじゃん。  どっかの倉庫が開けれる気がしない?」 「冒険の予感……  探すぞー!!お宝を!!」 ウオオオオオ!!っと1人でリョウヤは、 突っ走っていった。 「待ってよ!僕達も行く!」 長い廊下を走って、いろんな部屋に入った。 「たくさんの置物があるね。」 感心しながら、部屋の中を見渡していると、 「これすっげぇカッコいい!!」 声のする方を見てみると、 リョウヤが、巨大な剣を持っていた。 「ちょっと!?どっから出したの!?」 「そこの部屋にあったんだよ。  これはお宝だな!!」 ブンブンッ!!力強く剣を振っていた。 「危ない、危ないから!!」 止めようとしたが、リョウヤには、 聞こえていなかった。 「みなさ~ん。どこにいるのですか~?」 遠くから、メイドの方の声が聞こえた。 あの人に聞いてみよう。 「はい、僕たちはここです。」 「そこにいましたか。」 「あの…その部屋に巨大な剣があって、  それは、大体どれくらいの、  代物なんですか?」 「あぁ、あそこの剣ですね。  あれは、大体車が2台くらい買える  代物です。」 「う──うわああ!!ストップ!!」 急いで、リョウヤのところへ戻った。 「どうした?そんなに慌てて───  って、うわあ!いきなり何する!?」 ダッシュでリョウヤにタックルした。 「さっき聞いたけど、それ車2台は、  買える代物なんだぞ!?  丁寧に扱え!」 「マジで!?ゴメン、気を付けるわ。」 「わかればいい。」 この時、ハジメ達は気づいていなかった。 タックルの衝撃で、大事な鍵を何処かへ 飛ばしてしまったことに………
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