17人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
第二話 私の残穢
今日もまた、窓から外の景色を見る。
今日も来ない……
今日も会えない……
今日も出てはいけない……
私は、まだ、自由になれない。
あれから3日後、
ハジメ達は、イギリスへ到着した。
「来たぞー!!イギリスだーー!!」
リョウヤが、空港を出て、真っ先に突っ走り、叫んでいた。
「男ってこんなものなの?」
「まあまあ、ナツメちゃん、
そこは、気にしない。」
「ウオオオオオ!!店をまわ──
グエッッ、おい!首掴むなよ!」
「はいはい、まわりの迷惑でしょ。」
リョウヤの首根っこを掴んで、
目的地へ向かった。
ズルズルッ、ズルズルッ。
「──なぁ、そろそろ放してくれね?
尻が痛い。」
「わかったよ。」
パッと放した。
「グエッ。もうちょい優しくしてくれよ。」
そんなことを言ってたら、目的地へ着いた。
「ここがシュリウス城か。」
「うん、確か僕の祖父がここで住んでいたとか。」
「すげ~。」
城を見回していたら、窓から人影が見えた。
「あれ?誰かいる?」
「え?どこに?」
「ほら、あそこ。」
指差してみたら、そこにはもう人影は、
無かった。
「あれ?見間違えかな?」
「きっとそうだよ。」
「さぁ、冒険だー!!」
「あっ、リョウヤ!!」
リョウヤは、突っ走って、ドアを開けた。
続いて僕達も入っていった。
「うわ~、広いな──」
ドンガラガッシャン!!バキィィイ!!
「うわッ、何だ!?」
そこには、1人のメイド姿の人が、
倒れていた。
「あの、皆様、どちら様でございますか?」
「だだだ、大丈夫ですか!?」
「だだ、大丈夫ですっ。
驚いて、落っこちました。
彼女に手紙について、話した。
「そうですか…そんな手紙が。
でも、見知らぬ人を勝手に、
お上げするわけには……」
う~んとしばらく彼女は、考えていた。
「……わかりました!
どうぞ、みなさんおあがりくださいっ!」
と、彼女が言って、中を案内してくれた。
ひと通り案内して、彼女が言った。
「ではみなさん、
中を自由に遊んでいいですよ。」
と言って何処かへ行った。
「結構広いな~。」
「僕の祖父がここで住んでいた
って言っていたけど、僕は、
ここに来たことがなかったな。」
「何かあったのかな。」
そんなことを言いながら、城の中を歩いていた。
「そういえば、鍵が入っていたじゃん。
どっかの倉庫が開けれる気がしない?」
「冒険の予感……
探すぞー!!お宝を!!」
ウオオオオオ!!っと1人でリョウヤは、
突っ走っていった。
「待ってよ!僕達も行く!」
長い廊下を走って、いろんな部屋に入った。
「たくさんの置物があるね。」
感心しながら、部屋の中を見渡していると、
「これすっげぇカッコいい!!」
声のする方を見てみると、
リョウヤが、巨大な剣を持っていた。
「ちょっと!?どっから出したの!?」
「そこの部屋にあったんだよ。
これはお宝だな!!」
ブンブンッ!!力強く剣を振っていた。
「危ない、危ないから!!」
止めようとしたが、リョウヤには、
聞こえていなかった。
「みなさ~ん。どこにいるのですか~?」
遠くから、メイドの方の声が聞こえた。
あの人に聞いてみよう。
「はい、僕たちはここです。」
「そこにいましたか。」
「あの…その部屋に巨大な剣があって、
それは、大体どれくらいの、
代物なんですか?」
「あぁ、あそこの剣ですね。
あれは、大体車が2台くらい買える
代物です。」
「う──うわああ!!ストップ!!」
急いで、リョウヤのところへ戻った。
「どうした?そんなに慌てて───
って、うわあ!いきなり何する!?」
ダッシュでリョウヤにタックルした。
「さっき聞いたけど、それ車2台は、
買える代物なんだぞ!?
丁寧に扱え!」
「マジで!?ゴメン、気を付けるわ。」
「わかればいい。」
この時、ハジメ達は気づいていなかった。
タックルの衝撃で、大事な鍵を何処かへ
飛ばしてしまったことに………
最初のコメントを投稿しよう!