プロローグ 私の記憶

1/1
17人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ

プロローグ 私の記憶

これは、私の罪。 そして、私の一生涯の願い。 それは、ただずっとあなたと一緒にいたい。 19世紀、ある貴族のメイドとして彼女は来た。 彼女の名は、仲井サイカ。 私は、主のために仕事することに幸せを感じていた。 主は、とてもマイペースな方で、自分がどれだけの財産を持っているのも知らずに、 貧しい人を助け、時には騙されたり、 それでも、誰かのために動く主の姿は、 とてもかっこよかった。 私は、そんな主が好きだった。 ただ、同僚のメイド仲間から、 「何いきってやってるの?」 「バカじゃない?」 そんなことを、影では言われていたが、 私は、気にしなかった。 そんなある日、倉庫の中を掃除していたら、 外から、鍵をかけられた。 「え、ちょっと何!?ここ開けて!」 ドンドン!! ドアを強く叩いた。 けれども、反応はない。 そうだ、今日主は、仕事で家を空けていたんだ。 「だれか!!だれか来て!!」 ドンドン!! しかし、だれも来ない。 一方、外では。 「フフフ、無様ね。あなたには  これがお似合いよ。」 ジュ、ボウーー!! 「これで、あなたはおしまい。  フフフ。」 倉庫のまわりに、ガソリンを撒き、 火をつけた。 中では、 「…暑い。外が燃えている。」 ……そうか、私は、ここで死ぬのか。 「……あ、…主よ…あなたの…名前は、……」 記憶がよみがえった。 「よろしく、メイドさん。  僕の名は………」 彼女は、亡くなった。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!