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1章 ディア戦士
「ディア・ダイアモンドが引退したらしいよ」
「えっ!? ショックー! なんで……?」
「分からないよ。ニュースには何も書いてない」
とある春の日の夕暮れ時。バイト先のカフェにて。机を拭いているわたしの耳に、女子高生たちの会話が入ってきた。
彼女たちの話に出てくるディア戦士……。その存在は、現役女子高生にしては流行にうといわたしでも知ってるものだった。
数年前、この街にAMOと呼ばれる謎のバケモノがあらわれた。そのバケモノは、人を殺すことは無かったが、街を暴れまわり、周囲一帯に大きな被害を与えた。
そんなAMOに対抗するために生まれたのが、ディア戦士である。
ある時は可憐に、そしてある時はかっこよく。ひらりひらりと、戦場を舞う。
街を守るために、身を粉にして戦う正体不明のうら若い可憐な女戦士……彼女たちは、人々の希望だった。
最近は、ディア・ダイアモンドとディア・ルビーという2人のディア戦士が前線で戦っており、バケモノとの激戦を、連日繰り返していたのだが……
話を聞くに、どうやら片方が引退するらしい。
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