15話 それぞれの冬(上巻2996頁の続き)

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僕は話を促すことにした。このまま話が止まってしまいそうだったからだ。 「はい……。あの、私とは一年生の時同じクラスだった方がいるのですが。あの、春野さんは同じクラスになったことのない方で、知り合いですら……ない、ようなのです」 聖君は話ながら少し困った顔をした。 「なるほど。でも春野さんは聖君の知っている人だと言うのは伝えられたということは……何か特徴的な外見などがある人物、または名乗ったか、と言うこと? 名乗るにしたら珍しい名字かフルネームなのか」 「さすが俊騎さんですね。失礼しました、春野さんも話したことはないようですがお顔と名字はご存じのようでして、そちらの特徴と私の記憶を擦り合わせたと言いますか。ただ、お顔も名字も特徴がある方です」
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