15話 それぞれの冬(上巻2996頁の続き)

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僕は無愛想な上に話すのも苦手だと言うのに何故なのか謎である。やはり、母の若い頃によく似ていると言われているこの顔と、比較的高い身長のせいなのだろうか。 「そ、それで、その人と春野さんが……?」 「はい、春野さんがお一人で買い物に出掛けられたときに、声をかけられたそうです。あ、あとその方の名字は黒須さんです」 僕の名字も決して多くはいないが、黒須、と言う名字もあまりいないだろう。 星歌高校がマンモス校と呼ばれているほど生徒数が多いとしてもだ。 そして、容姿もよくは分からないがテレビに出ているアイドルのような人物がそこまではいないはずだ。 「その名字と容姿の特徴で、聖君の知り合いと特定できたわけだ。春野さんに声を……」
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