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3交替シフト制で不定期だけど、希望を出せば休みは取れる。
「おっけ。ライブ」
「おっ、マジで?」
雅紀くんのバンド、サンクチュアリ・オブ・デストラクションに入れてもらって半年。略称SODで半年越えた初のドラマーが俺。
メンバーの中で休みの確保が一番面倒なのが俺だから、スケジュール決めは俺優先になってる。
「四日市のコンフュージョンのイベントに空きが出たんだわ」
「マッジで! 行きたかったんだわ!」
ザーロックスって三重のブラックメタルバンドがいいぞーって和馬さんから聞いてたんだ。それが出るって言うから行こうかなって思ってたんだけど、それどころか出れんのか。対バンじゃん。
「たーけ、お前は出る方。遊んでんじゃねぇぞ?」
「わかっとるて!」
「しっかりやりゃあせ」
雅紀、時々爺さんみてーな名古屋弁使うよな。おじいちゃん子か?
雅紀は入って来たお客さんを出迎えに行った。
「俺も見に行きてーけどなぁ」
和馬さんは洗い上げたグラスを順に拭きながら、そう言う。
「来ます?」
「あそこ小っせーんだわ」
「ジーラスよりですか?」
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