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 誰から見ても結さんは雄貴さんのことが好きだ。それなのに、雄貴さん本人がどうも気付いてくれない。周囲があれこれと気を回したりお膳立てしたりしてもダメだ。  この間の結さんの誕生日には俺もたまたま同席したんだけど、あんなに頭の回転のいい雄貴さんが、何故か全く気が利かない。不思議だ。 「あー、あれな。返さねーとなぁ」 「チョコをですか?」 「たーけ。失礼だろ。ホワイトデーだわ」  いや、あれが本命だと理解してない雄貴さんが一番失礼だし心配なんすけど。 「お返し何にするんすか……ってか、毎年何返してるんです?」  ここ何年も堂々巡りって聞いてる。律儀だからきっと何かは返してるんだろうけど。 「スタバのマグカップ」 「いい加減にした方がいっす」  大先輩であらせられるが、思わずキツめにツッコむ。 「何でだよ」 「結さんちがマグカップで埋もれますよ、んなことしてると」  スタバのマグカップって結構デケェぞ。いくら何でも邪魔だろ。誕生日が毎年スタバのタンブラーなだけでどうかと思ってたのに。 「つってもよ、確実に喜ばれ」 「半分社交辞令っすよ、いい加減」
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