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ついつい食い気味に言っちまう。そりゃ喜んで受け取るだろうけど、家に帰って途方に暮れてるはずだ。
「……あと、何も思いつかねーんだよ」
「何でですか……」
しょっちゅう仕事で顔合わせてるはずだ。もっと他に思い当たる節もありそうなんだけど。
「まあ……いろいろな、難しいんだよ、プレゼントってのは」
「めっちゃ簡単に済ませてるじゃないすか」
「難しいからだっつの」
無難に、ってことか。無難に置きに行こうとすりゃあ、そりゃ同じものになる。でも、無難が積もりすぎて迷惑行為寸前だっつの。逆効果。
「お前は。かおるちゃんに何あげんの」
「それは……」
まだ考え中だ。まだ半月くらいあるし。って言っても、すぐだからなぁ。
「決めてねーのか」
「まだ。コスメあたりに落ち着くかなって感じですけど」
「コスメ?」
「化粧品です」
「ああー」
あの辺は消耗品だから、ある意味無難だ。但し、色やなんかをちゃんと選べれば。そこを外すと、無難から迷惑にひっくり返る。
「そういうのどうです?」
「あんまり興味なさそうじゃねーか?」
「何見てんすか」
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