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髪色はピンク系ブラウンで、地味な白髪染めとは全然違うし、メイクなんかもほら。
「大体すっぴんだろ」
「ぶん殴られますよ」
「何で」
思いっきりため息をついちゃいますよ、これは。
「いつ見ても、ちゃんとメイクしてますよ。ポイントだけ押さえたすっぴん風だけど」
マスカラは軽めで、アイラインも目立たないように最低限の幅と長さ。ナチュラルなベージュからブラウン系のアイシャドウは、上手い具合に主張しない加減で、目元を立体的に見せてる。リップはあれ、多分ティントだ。うっすらでマットな血色カラー。
仕事の時は大抵Tシャツにジーンズでラフだし、オフの時もかなりカジュアルだから、それとバランスを取れる脱力メイクなんだろうなって感じ。多分、メイクのテクニックはきっちりある。
「あー……」
雄貴さんの目線が宙を泳ぐ。
こんだけ細かく観察しちゃうのは、俺の元ホストって職業病かもしれないけど、じゃなくても、ナチュラルメイクだなくらいはわかるでしょ。
「あと、いつもいい匂いしてます」
「洗剤じゃねーの?」
「それこそボコボコにされても文句言えないっすよ」
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