U.F.O

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U.F.O

 不思議な話を集めたいとわたしは思った。  ネットで調べればすぐに蒐集は可能だろう。  しかしわたしが求めるものには条件があるのだ。  リアリティを追求するほど大袈裟なものではなく、信じるか信じないかはあなた次第というラフなものではなく、大真面目にこれは本当の話なのだと眉ひとつ動かさず嘘をついてほしい。しかもわたしの目の前で。  散らかり放題になった狭い1ルームで座禅を組み、しばし瞑想をして思い至った。まずはこの家のなかに居住スペースを見出そうと。  かろうじてロフト部分は生き残っているが、それ以外は足の踏み場もないくらい物が積み重なっている。残すもの、使わないものの袋を用意し、ブルドーザーのごとき勢いで丸三日を片付けに費やした。そしてようやく発掘した茶飲みテーブルをセットし、ラインの一番初めに登録してあった後輩の夏見に、「協力してほしいことがある」と連絡をした。彼女からは、数秒で返事がきた。 「なんですか、やぶからぼうに、か。あの子らしいな」  わたしはにやにやしながら返信した。 ――不思議な話を知りたいんだけど、誰か知ってそうなひとを紹介して。  すぐに何か返答があるかと思いきや、彼女からはいつまで経っても返事が来なかった。午前二時に連絡したせいか、もしくは深夜のコンビ二バイト中なのかもしれない。わたしはひとまず三日ぶりに眠ることにした。
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