有象無象

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 ある日、俺とゾウ太は街の大通りを歩いていた。  砂に塗れた道の両脇にはボロい店が並んでいて、どっさりと積まれた黄色いバナナの山や、雑に盛られた衣服の山が目立つ。  ゾウ太がじっとバナナを見つめていたので、ふたつ買って帰ることにした。相棒は喜んで鼻を振った。  すると、どこかから歓声が聞こえてきた。そちらの方に目をやると、遠くからでもその正体がはっきりと見えた。  奥から、十頭の象たちが歩いてきている。風になびく純白の旗、あれは一番隊だ。荷車を見るに、街の外で木々を伐採した帰りだろう。  まるでどっしりとした岩が列を成して進んでいるようだ。一歩踏み出すごとに砂煙が立つ。堂々としたその姿からは、どんな敵が現れようとも動じないぞという誇りが感じられた。
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