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出会い
彼女――ジェイミーと出会ったのは、デパートの野菜売り場でのことだった。
雪のように白い肌、ふわりとした緑色を頭のてっぺんで一つに結わえた彼女は、根菜コーナーの一角に佇んでいた。
「――わたしは大根……」
ジェイミーが僕をじっと見つめて囁いた時、僕はびっくりしすぎて、幻聴なのかと戸惑った。
その日、僕は友達だと思っていた奴らに悉く無視されて酷く落ち込んでいた。誰かに話しかけてもらいたいとの願望が強すぎて、頭がおかしくなったのかもしれない。
でも そうではなかった。
僕の疑念を察したかのように、彼女は再び。今度は力強く宣言したのだ。
「わたしは、大根っ!!」
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