プロローグ

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プロローグ

「私を呼べ!」  研究室の中央テーブルに横たえられた、一本の大根を前に。真剣な表情で話しかける者がいた。  周囲に置かれた複数の籠、壁際にずらりと並んだ棚にもぎっしりと、大量の大根が収められている。それらの大根と、一見 変わらないように思われる一本である。 「私の言葉が分かるなら、もう一度 私を呼んでみなさい」 「――コーン博士……おはようございます」 「お、おおおおおおぉ!」  聴診器を当てつつ念入りに観察を続けていたコーン氏は、たまらず感動の叫びをあげた。 「ついに、発見したぞっ!!」
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