第一話 死者との交信

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ベッドから立ち上がると、トースターのボタンを押す。   少しして焼けた食パンンに一人暮らし用の小さい冷蔵庫から取り出したバターと苺ジャムを塗り、口に運んだ。   一口かじろうとした時、タイミング悪くスマホが音を立てて振動する。   確認すると知らない番号からだったが、声を聞いてすぐに十数年連絡を取っていない祖母からだと分かった。   母が倒れ、亡くなったので一度顔を見せに来いとの事だ。   家出して母とは十年も会っていなかったため、あまり気が進まなかった。   しかし今朝の夢のせいか最後にどうしても母に会わなくてはならない気がして、彼女の実家である京都の福知山という街に帰る事にした。   *   駅の改札を出ると、水にどっぷりと浸かる神秘的で何とも懐かしい気持ちになれる街が私を出迎えた。
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