第一話 死者との交信

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と怒鳴りながら玄関を飛び出し、それ以来十年家には帰っていない。   私は父の連れ子で、親の再婚後に育ててくれた感謝など頭から飛んでいた。   今の私であればどれ程酷い事を口にしたのかは容易に理解できる。   しかし当時私の心にそれを考えられるだけの余裕はなく、親を知るには幼すぎた。   そもそも彼女がいなければ父の死後、私は一人でどうやって生活をしていたのか?   そんな事を考える事は出来なかった。   いつもこの夢を見た時は怒鳴りながら玄関を飛び出す所で目が覚める。  * 寝汗で濡れているシャツを不快に感じながら、花柄のカーテンを開けると、激しい日差しがマンションの一室に差し込む。   日光の眩しさで目をこすりながら、壁に掛かった時計を確認すると時刻は午前七時半といったところだろうか。
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