2007年 春

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 アパートに帰ってきてひと息ついたら、履修する教養科目や選択科目を決めていった。  未記入の時間割表を開き、先に必修科目を書いてから、その隙間に書き入れていく。  分厚い講義要目(シラバス)をぱらぱらめくってみると、教養科目には文学や発達心理学、芸術などが並んでいる。  芸術って何をやるんだろうと思って見たら、絵画の歴史などを学ぶらしい。  選択科目は「キーボード・ハーモニー」で即興演奏や作曲を学んだり、「総譜奏法」でオーケストラのスコアを読めるようになるために、一般的なト音記号とヘ音記号に留まらずハ音記号を習得するなど、全てが音楽関係だった。    知ってはいたけど、音大は音楽を中心にまわっている。何だか圧倒されてしまう。  でもシラバスを読むのは面白かった。講義ひとつひとつに先生たちの個性と(こだわ)りを感じる。  そういえば勉強って楽しいものだったよな、と思った。
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