幼馴染

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 その翌週に今本先生のレッスンが終わった後、廊下を歩きながら渡瀬先輩に話してみると、あっさりと快諾(かいだく)してくれた。 「いいよ、やろうやろう。練習してくるね」 「ウィーンに行く直前になりますけど、キツくないですか?」 「うん、平気。それが終わってから行ける」 「ほんとですか? ……ありがとうございます」  嬉しい。ここは甘えてしまおう。 「オーケストラ(オケ)パートを弾いてくれるひと、自分で探さなきゃいけないんだもんね」 「はい。ありがとうございます……そういえば最近、宮下さんと教養の講義で一緒で、よくお話してるんですよ」 「あぁ、宮下さんと仲良くしてんの? たぶん水沢さんとは、割と歳も近いんじゃないかな」 「ですね、私も浪人してたんで……」 「宮下さんには同じ学年の友達だと、歳が離れすぎかもな。水沢さんとのほうが話が合うのかもしれないね」
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