最終話 雪蛍

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3ヶ月後、イタリアの彼女から僕宛てに          一枚の絵葉書が届いた。 「遠く離れたイタリアの空の下で、ネットで取り寄せた雪蛍をイタリアの人達と飲みながら、ケンちゃん、そしてシンちゃんのことを想いながら舌鼓を打っています。まだまだ道半ば。それでもあなたは待っててくれますか?」 そう綺麗な文字で書かれていた。 「シンちゃん、由美さん、待ってるつもり?」 「俺には由美さんを待つよ」 「そうだね」 多分、龍弥君をこれまでも想い続けた夏子ちゃんはこれからも変わらないだろう。 そして4年半が過ぎてアタシは        ーーー彼と再会した。 「ただいま」 彼女の右手には鮮やかな紅色の【紅蛍】の小瓶、そして左手の指には僕が送った指輪が光った。 「お帰り」 5年ぶりに触れた彼の唇は震えてた。そしてアタシの唇もーーー。          「不倫契約」            【完】 「不倫契約」のプロット動画のロングバージョンをアップしました。リンクはつぶやきに置いています。
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