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食事を終えて店を出ると当然のように利久がついてくる。
「利久君、おうちは反対側でしょ」
「送ります」
「俺は一人で平気だから、お家に帰りなさい」
ついてこようとするのを止める。その気はないのだから諦めてほしい。
おやすみと告げ、家の方へと歩き出す。頑張っても無駄だというのをわかってもらうためにつれない態度をとった。
「また明日」
河北の姿が小さくなるまで見送る。一度だけ振り返ったことがあるのだが、それに応えるように大きく手を振った。
それ以来、振り返ることをやめた。
期待を持たせるような行為はすべきではない。無視して歩いていくのは心苦しく、足取りは重かった。
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