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南のように応援したいと思うだろうし、父親のように心配で渋い顔をしてしまうかもしれない。
だが結局は子供の幸せを願うのだろう。
「河北君だって私と同じでしょ。どういう結果になろうとも私は息子を応援します」
「君の、そういうところは好きだけどさぁ、困るよぉ」
「息子は立派に成人しました。だから私からは恋愛に対して口出ししませーん。あ、無理やり手を出すようなことはさせないから安心してね」
そうじゃないだろう、と、心の中でつっこむ。
彼女は息子の味方を選んだのだ。河北が何を言っても無駄なのだろう。
「知れば知るほど可愛くなるからね。うちの子はいい子だから」
いい子なのは良く知っている。しかも息子より気が利く子であった。遊びに来た日にはゴミや使ったグラスを下げに来たのは利久だし、お店に来た時も誰かが困っていたら真っ先に手助けに行く。
「だから、無碍にできないんじゃないか」
「ふふ、私もね河北君のそういうところ好きよ」
同じ言葉を言い返された。
河北には一枚も二枚も上手な彼女に勝てるはずなどなかった。
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