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「しかし、何でユリなんだよ。花壇にはコスモスやらマーガレットがもうすぐ咲くぞ?」
「うん……ちょっとね、それだとイメージに合わないのよ。前日の夕方にお花は持ってくるから、よろしくお願いします」
慌ただしく脇田が帰り、仏クラスはニンマリニヤニヤ。
依頼されるなど初めてで、嬉しさが湧き上がってくる。
パリッ。
「やっべー!!ほんわかしすぎるんじゃねぇ!今、成仏したら約束が果たせないぞ!気合い入れろよーー」
手がとけた、足がとけたと焦る仏クラスの生徒達。
永慶先生も苦笑いだ。
成仏して欲しいのに、学祭を楽しんで欲しい。
──私も先生になってきましたね……。
さて、薔薇クラスの天の邪鬼勇太は、絶賛反抗しまくり中。
「観念しなさいよお勇太。高田君も井手君も殿じいさえ、快くオッケーしてくれたのよ?一番若い勇太が、何渋ってんのよ!」
「渋ってんじゃねー!拒否ってんのっ!」
「拒否?10年早いわよ。勇太だけ役割ないんだから、当然でしょうが~」
「出来るか!あんなモン!」
勇太に割り当てられたのは、謎の怪しい店竜宮城の店員だった。
「これも社会勉強よ。アンタは、バイトすらした事ないんでしょ?」
「ぐっ……ないけど。これはバイトじゃねー」
「口ばっか達者になって。……出来ないんだ?こんな事くらい」
煽られてもグッと我慢する勇太。
隣では殿じいが、珍しくゲラゲラ笑っている。
「勇太、一生に一度の体験さ!一緒に楽しもう」
「殿じい……やれるのかよ」
「軽い、軽い」
納得いかない勇太は、それでもこの後抵抗を続ける。
勇太は果たして落ちるのか?
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