唇に愛を#lip

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「よっし!じゃあ、力を合わせて頑張りましょうね、」 「ウム、若松教育長の偉大さを知るがいい」 薔薇乙女達は、疾風の如く去って行った。 ドアを閉める直前、殿じいが振り返る。 「明日、打ち合わせがあります。午後15時に姥桜学園に来て下さい。では」 「わかっとる!待っていなさい!」 ようやく静かになった部屋で、竹田と水田が頭を抱えている。 嫌な予感しかしないからだ。 「薔薇クラスも、物分りが良くなったじゃないか!よしよし」 「やるのですか、教育長?」 「当たり前だ!お前達もだぞ?敵を内部から壊していくんだ」 丸山先生を姥桜学園から完全離脱させる事に失敗した竹田と水田は、給料も減額し、ふんだりけったりだった。 若松からはこってりネチネチ説教され、今は立場が弱い。 嫌な予感しかしないが、若松に従うしかないのだった。 若松率いる三人衆は、喜々として姥桜学園に乗り込んで行った。 いつも通り、時任先生に冷たい視線を浴びせられ、MJGクラスからはネチネチと嫌味を言われた。 「だから、丸山先生は帰ってきただろ?もう、それでいいじゃないか」 「いいわけないの。あなた達が丸ちゃんをそそのかした……私達から丸ちゃんを奪った」 後をずっと付いてきて、ずっと同じ事を繰り返し言われる竹田と水田。 三人衆は急ぎ足で薔薇クラスへと向かう。 薔薇クラスはちょうどホームルームが終わり、寛いでいる所だった。 「若松教育長、竹田さん水田さん、席は作りましたからそこへ座ってください」 ちょっぴりウキウキと椅子に座り、学生気分になった気でいる若松教育長は、完全に油断していた。 「では、学祭の最後の2時間に営業する竜宮城について、脇田さんからお話しがあります」 「ああん?竜宮城だと?バーか?」
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