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漢達と若松教育長、竹田の衣装合わせが始まった。
「やだよ、なんでツルツルにされなきゃならないんだーー!」
「勇太ちゃん、わがままはメッ!やるからには完璧を目指さないと。中途半端は小汚いだけよん?」
容赦ないアイリスの腕力で押さえつけられた勇太は、あらゆるムダ毛を剃り落とされた。
もちろん、漢達も若松教育長も竹田も同じだ。
ドドールのお姉さま達にかかれば、衣装合わせもサクサクと進む。
NOとは言えない迫力だからだ。
「えぇーーーー。峰不二子みたいに?身の程知らずの鼻垂れ小僧が!……峯岸みなみじゃ駄目なのぉ?」
「駄目です!峰不二子みたいに、ピチピチバイバインのムンムンでお願いしますよ」
「きゃあっ!欲張りさん!」
背中を軽く叩かれて、うずくまる竹田の隣では若松教育長が匙を投げられていた。
「何なのもぅ〜!まったく可愛らしくなれへん……ドリアンお手上げ」
ドリアンに見放されたらおしまいだ。
若松教育長は何とか縋り付いて懇願する。
「仕方ないわね~、禁じ手を……」
この日、時間が許す限り衣装合わせとメイクに没頭した薔薇漢と愉快な仲間達。
癖にならなければ良いが。
長い放課後が終わり、常盤社長とお姉さま方は大阪に帰って行った。
後は当日まで、自主練あるのみだ。
風呂上がり、やけにスースーする身体を眺め、勇太はため息をこぼす。
学祭は嫌ではないが、竜宮城のホステスは嫌だ。
「これじゃあ、誘えねーじゃん……」
「誰を誘うんじゃ?ガールフレンドかぁ?ファッファッ」
「じいちゃんは妖怪かよっ!神出鬼没過ぎるだろ」
最近の勇太は、何か言いたげな、言いたくなさげな、いつもソワソワしている。
丸山先生も気付いているが、辛抱強く勇太が打ち明けるのを待っていた。
──はて?新しい悩みでしょうか……。
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