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ここからは、姥桜学園祭を火車ローランドごろうとあやちゃんカップル目線で楽しんでもらおう。
午前10時、一番乗りを果たしたあじさい幼稚園のあやちゃん。
来年はピカピカの1年生になる。
あやちゃんには、叶えたい夢がある。
「ごろう君と結婚するの。ハワイで!」
姥桜学園で知り合った、火車ローランドごろう(本名・火車チュウ吉)に首ったけなのだ。
「あっ!ごろう君だ!ごろう君ーー」
火車ローランドごろうの腕の中へ、一目散に飛び込んでいく。
火車ローランドごろうも、手にした茄子を放り出し、あやちゃんをしっかりと受け止めた。
「あやちゃん、また大きくなりましたね?きっとあやちゃんのお母さんが、毎日美味しいご飯を作ってくれるからでしょうか?例えばこの茄子で、麻婆茄子でもいかがかな?」
「うんとね、あや、ナスはキライ」
「おぉ!これは失礼しました。あやちゃんを不快にしてしまい、この火車ローランドごろう一生の不覚。お詫びにこちらのサツマイモはいかがかな?食物繊維たっぷり、乙女の味方サツマイモ──」
「サツマイモは好きだけど、あや、わかんない」
火車ローランドごろうとあやちゃん、手を繋ぎ、いざデートの始まりだ。
輝くあやちゃんの大きな目が、とってもキュート。
「デートコースは任せて下さい。あやちゃんを喜ばせる事に関して命など惜しくはない。無論、私は死にませんが、あ!僕は死にましぇんと言い直すのをお許し下さい」
「ごろう君、あやね、ジュース飲みたい」
朝から興奮気味のあやちゃん、喉もカラカラ、お腹も空いている。
エスコート出来るのか、火車ローランドごろう。
二人がやって来たのは3階のフレッシュジュース屋さんだ。
「おやおや、凄い人気ですね。仕方ありません、ここは人間どものルールに従って、奪うのではなく並びましょう」
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