18人が本棚に入れています
本棚に追加
この後、出来上がった写真は可愛らしいエンゼルフィッシュのあやちゃんと、どう見ても、目を細めて見てもウツボにしか見えないごろう君のツーショット写真が出来上がる。
「あやちゃん、我が空蝉の宿はおでん屋さんです。おでんは好きですか?」
「うん。たまごが好きー。カレーの匂いがするね。あや、カレーも食べられるよ!」
空蝉の宿のおでん屋さん。
料理長が煮込みに煮込んだ熱々おでんが、中高年のお客さんに人気だった。
「チュウ吉、ちょうど良かった。火力がいまいちやねん……ちょっと頼めるか?」
「コホン……女将さん、私は火車ローランドごろう。しかもデート中ですので、後でこっそり」
「悪かった。あやちゃんとデート中やったんか。あやちゃん、たまご食べるか?」
「うん!」
火車ローランドごろう、フウフウしてあげたいのに、フウフウすればたまごが丸焦げになってしまう。
恋は茨の道なのだ。
向かい側のカレー屋は、若いお客さんでごった返していた。
麒麟COMPANY、石黒カレーだ。
「あわてるな馬鹿野郎!まだまだたくさんあるからな」
美しいシンシアの前には男性客が、カッコイイ石黒の前には女性客が、目を血走らせ並んでいる。
「あやちゃん、カレーの行列は危険です。いただいた福引券で、ガラガラをしに行きませんか?」
「あや、ガラガラ回したい!」
混雑するカレー屋をスルーし、福引交換所に向かった。
ゲットした福引券は5枚、火車ローランドごろうはガラガラの権利をゲット出来るのだろうか。
「黒木せんせい、あやね~ごろう君とデートなの。もってきたよ、券!」
「良い子だ!では、あやちゃんが問題に挑戦するんだな?」
「あやがする!」
さすがあやちゃん。
アマリリスクラスに勝てるだろうか。
最初のコメントを投稿しよう!