悩める花凛ちゃん#lucid

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しかし、花凛ちゃんにもリミットはある。 子沢山に憧れる花凛ちゃん、三十路までには結婚したい。 そして未知なる痛み、出産! たっぷりと体験し、我が子をたくさん育てたい。 究極のドM長山花凛は、焦りだしていた。 ──結婚は、やっぱり恵ちゃんとしたい。花凛には恵ちゃんが一番心地いいもん。 怒った顔は見た事ない。 のんびりおおらかで、懐がでかい恵介。 確かに、気はきかないしマメでもないが、そこは教育次第だと思っている。 「たまには〜サプライズみたいなクリスマス、花凛もしたいなぁ」 花凛ちゃんの呟きは、カフェのカレーを幸せそうに頬張っている恵介に届いたのか? 悩ましいところだ。 姥桜学園終業式を明日に控え、先生達は忙しくプリントをまとめていた。 宿題という名のプリントだ。 「さて、こんなもんかな?おや、花凛。手が止まっているじゃないか」 黒木先生に指摘され、慌てた花凛ちゃんはせっかくまとめたプリントを、バサバサと床に落としてしまった。 黒木先生が、ニヤニヤと近づいてくる。 「なんだ、なんだ?クリスマスが近いからうわの空ってか?このっこのぅ!」 「違いますよぉ~花凛、クリスマスなんて嫌いですから」 花凛ちゃんに彼氏がいるのはみんな知っている。 お節介な教師軍団、結婚は近いみたいだ、出産はどうだ、子供は姥桜学園へ、などと楽しい妄想が飛び交っていた。 「なんだ?クリスマス前に喧嘩か?」 「喧嘩じゃありません、これは戦いですぅ!」 大量のプリントを抱えて、花凛ちゃんはドスドスとMJGの教室に向かって行った。 他の先生達は心配顔だ。 「恵介君は、あまりスマートなタイプではありません。長山先生を失望させるプランだったのでは?お家クリスマスとか……」 大当たりだラシード先生。
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