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「また明日、おじいちゃんおばあちゃんに癒やしてもらお。今年最後のだもんね~」
花凛ちゃん自慢のツケマが、ふるふると揺れていた。
姥桜学園、二学期が終了した。
今年も散々暴れまくった生徒達は、しばし家庭に戻り羽を休める。
クリスマスや、除夜の鐘を聞きながら年を越し、新年再びアクティブな1年を過ごす為に初詣。
姥桜学園の教師達は、最後の生徒が校門を出るまで見送った。
花凛ちゃんも。
「風邪ひかないように、お餅は喉に詰めないで下さいね~?寝正月はダメですよぅ、認知機能に悪影響を及ぼしますから〜」
「わかっているよ、花凛ちゃん。餅は小さく千切って食べる」
「規則正しいお正月を過ごすとしよう」
「花凛ちゃんもな?」
「インフルエンザ予防接種は早めに〜痛みは神ですからぁ~」
手を振りながら帰って行くおじいちゃんおばあちゃん達が見えなくなると、花凛ちゃんは大きな溜め息をついた。
これから家に帰り、明日のクリスマスの準備をしたら、早めに寝てしまう予定だ。
姥桜学園には29日に出勤するように言われている。
帰り際、理事長が念押ししてきた。
「良いですか、長山先生。29日の夕方に校門に集合です。2、3日分の着替えを忘れずに」
姥桜学園は、なんと教育熱心なんだろう?年末まで教師達は集まって勉強会でもするのか?
と、感心半分、怖さ半分。
自宅に帰れば、疲れがどっと押し寄せた。
恵介からメールはこない。
「やっぱり明日かぁ……」
年に一度のクリスマス、地味でも楽しく過ごしたい。
ロマンチックは諦めたが、恋人達のラブラブイベントなのだから。
「恵ちゃんにサプライズ……」
サンタの姿で待っていようかと、昔使用した衣装を探してみる。
学生時代に、友人とどんちゃん騒ぎしたクリスマスパーティー。
もちろん恵介も一緒で、トナカイに扮した恵介とサンタの花凛ちゃん。
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