クロカゲ

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 影との出会いは一週間前のこと。  いつもは通らない道だった。  車一台がやっと通れるような、細い外灯の少ない暗い道を、自転車のライトを目印に家を目指す。   『帰りは、明るい道を大回りして帰ってきなさいね』  塾帰りはいつもそうするように言われていたけど、今日は守れなかった。  6年生になって初めての塾の日、宿題を忘れて居残りをした。いつもならとっくに家についている時間だから、きっとお母さんは心配しているはず。  人通りがないのは、みんな明るい大通りを歩いているからだ。  誰もいないことに心細くなって、必死にペダルをこぐ。 「え?」   自転車のライトに照らされて、目の前に突然浮かび上がった金色の光が二つ。  ボクは慌ててブレーキをギュッと握った。
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