クロカゲ

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 ランドセルに明日の勉強道具をつめこんでから、目覚ましをセットする。  そういえば転んだ時に自転車のライトが壊れてしまったようだ。  来週の塾の日までに父さんに直してもらわなきゃ。  電気を消してベッドに入ろうとした、その時だった。  影と目があった。   「!!!!!!」  さっきみたいに悲鳴をあげそうになって、口を押えた。  金色の目がボクを見上げて。 「ニャーン」  と鳴いたのだ。  猫だ、猫がいる!! 「ユウタ、もう寝たの?」  お母さんがドアを開ける音が聞こえた瞬間、ベッドに潜り込んで布団をかぶり、寝たふりをした。 「あら、もう眠っちゃってたのね。おやすみなさい」  ドアを閉めて、廊下を歩くスリッパの音が遠ざかってから、ムクリと起き上がって布団をはいだ。 「ニャー」  やっぱり、いる、いた!!  ボクを見上げる金色の目はさっきのお風呂場で見た……。  いや、その前にも見たぞ! あれだ、自転車でひいた黒猫!
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